博士が企業で働く

企業で働ける博士③:割り切って仕事ができるか

こんにちは、ひろすけです。

企業で働くために、意識しておきたいシリーズ第3段です。

今回は割り切って仕事をすることができるか、です。

あれはやりたくない、これだけをやっていたい…

世の中は残念ながらそんなに甘くはありません。

どの程度、どこまで割り切れるか(譲れるか)を考える機会にしてもらえれば。

要点

  • 企業では、役割分担や仕事の期限があるので自分のやりたい仕事ができない・自分が納得するところまでできないことがほとんど。
  • 単純作業や成果に納得のできない仕事があっても、それを受け入れる必要がある。
  • 割り切ってやった仕事からの気付きもあり、次に活かすことができる。

企業では好き勝手に仕事はできない

アカデミアの人たちが好き勝手に研究をしていると言いたいわけではないです。

相対的な話で、企業の仕事(入社当初)はもっと自由度が減ります。

大抵の場合は、選ぶのではなく、割り振られます。

「なんで自分がこんなことを…」や、

「自分の仕事としてこれを出さないといけないのか…」と思うことも。

明らかに自分の能力以下の仕事を割り振られることがあるでしょう。

私がやった例でいくと、紙データの入力作業。

入力後の分析ではなく、

アルバイトさんに振れる仕事です。

もちろん入力されたデータが無いと分析もできないので、

必要な仕事ではありますが、当時の自分に自分がやる必要性は感じられませんでした。

(※自分で工夫できる余地が小さい作業が嫌いな性分が大きい)

もう少し仕事を任されるようになると、

品質と期限との戦いが始まります。

研究であれば、自己責任の範囲で、

納得がいかなければやり直すという選択をすることもできます。

ただ、企業では明日提出という期限が決まっていれば、

やり直しなんてできません。

納得がいかない場合であっても、

その時点の最善のものとして出す必要があります。

(※もちろん相手から求められるレベルを満たした上で、です。)

入社当初は仕事は振られるものです。

苦手な仕事でも、嫌いな仕事でもやらないといけません。

先を詰められる仕事も期限で手放さないといけないかもしれません。

こうした割り切りにあなたは耐えられそうでしょうか。

仕事に対する割り切り

すべての仕事がそうだと言うわけではありませんが、

単純作業や成果に納得のできない仕事があっても、

それを受け入れる必要があります。

仕事と割り切れるか、は重要な部分です。

そう簡単に割り切れそうもない、と思った人は、

アルバイトをした経験などを思い出してください。

たぶんどこかでここまでというボーダーを引いて収入を

得るために仕事をしていたと思います。

研究活動以外のアルバイトをしたことがない…という人は、

ちょっと厳しいかもしれません。

企業に就職するのであれば割り切れると思った人は、

心配無用かもしれませんが、

難しいのは割り切る=雑な仕事をするというわけではないことに注意をしてください。

少なくとも採用面接などでその雰囲気が伝わると落とされます。

そういう雰囲気はにじみ出るもので、

面接する側にはなんとなくわかります。

割り切った仕事は悪いことばかりではない

割り切った仕事をネガティブに書いてきましたが、

「少なくともやる」という姿勢が必要なだけで実際にやってみると悪いことばかりではありません。

自分の能力以下の仕事や合わないと思った仕事も、

後々役に立つことがあります。

私の例で言えば、単純な入力作業も自分が経験することで、

ありがちな紙データの記入ミスを防ぐ方法を理解できましたし、

後輩に入力をスムーズに引き継ぐこともできました。

最終的にはマニュアルを作って、

外注できるようにしました。

他にも、自分には絶対に合わないと思っていた営業的な仕事も、

(アカデミアにいたころは営業職だけは絶対無理と思っていた)

やってみると思いの外、面白みを感じました。

今ではそちらを重要視しているから不思議なものです。

また、期限を決めて仕事を任されることで、

自分だけでやっている経験できなかったであろうペースで、

仕事の数を体験することができます。

自分のキャパシティを上回るような仕事に負荷はありますが、

適度な負荷は能力開発には効果が高いです。

次第に与えられた時間での質も高められるので、

自分の納得できる品質とのギャップは小さくなっていきます(なくなりはしないけど)。

割り切って仕事をするにしても、

とりあえずやってみる(チャレンジだと捉える)、

こなすだけではなく先を見据える、

ような思考があると自分に経験として残り、

その中に発見があればプラスに働きます。

決して悪いことばかりではないことは認識しておきましょう。

まとめ

今回は、割り切って仕事ができるかという点でまとめてきました。

企業に限った話ではなく、アカデミアでも当然ある話ですね。

実験や調査が好きで本当はそれをやりたいのに、

ラボの運営や資金調達が仕事の大半になっているPIも身近にいるでしょう。

そういった意味では、ポスドクからアカデミア内のステップアップでも、

企業への就職でも同じことかもしれません。

割り切って仕事をすることを覚えて、

その必要性を認識できるか、学びを得られるか、

その人の成長につながるかどうかが決まるのでしょう。