博士が企業で働く

博士の強み:データを集める能力

こんにちは、ひろすけです。

今日の記事は博士の強みシリーズの2回目です。

理的な思考能力に続いて、

今回はデータを集める能力についてまとめていきます。

要点

まずは要点です。

  • データを集める能力とは、仮説を作る/検証する際に必要な情報を収集することです
  • 自ら情報を収集できる人には、仕事を任せやすいです。
  • この能力を活かすためには、調べる範囲と使う時間を意識する必要があります。

以下で、掘り下げていきます。

データを集める能力とは

データを集める能力というものは、

本などにはたぶん書かれていないと思います。

私が部下と仕事をする中で実感しているものを、

適当な言葉で表現しただけだからです。

意味するところはそのままで、

なにか行動を起こす前の下調べと思ってもらっても良いかもしれません。

もう少し真面目に言うと、仮説を作ったり、

検証したりする際の根拠集めです。

仮説検証は、博士のある意味最も得意とするところでしょう。

そのために、日々論文を読んだり、

自ら調査や実験をしてデータを集めているわけです。

データを集めることができない博士はいないはず。

データを集める能力がなぜ強みになるのか

当たり前にもっている能力ほど、

自分ではその価値に気づけません。

私も当然ながら就職した当時は気づけていませんでした。

ただ、部下を持つ立場になるとよくわかりました。

博士をもつ職員は修士や学士卒の職員に比べて、

自分でよく調べる。調べることができる。

はじめは単純なやる気や好奇心の強さだと思っていたのですが、

次第に気持ちの問題はなく能力なのだとわかりました。

※ここでの博士とそれ以外の職員の差は、入社当初の平均的なもので、
 入社後数年立つと差はなくなっていく(といいのだけれど…)。

具体的には、博士の部下にデータ収集を頼むと、

・文献や情報を集める(検索)するのがうまい/早い

・有益でない文献は見切りをつけて読むのを止める

・引用文献リストのように収集した文献や情報源を整理する

といったことを自然とやっています。

データを集める能力ができる職員がなぜ重宝するのか、

それは一番労力のかかる部分を任せられるからです。

読者のみなさんもわかると思いますが、

仮説を作るための根拠集め、

検証するためのデータ取り、たいへんですよね。

この部分にはどうしても労力がかかるのです。

しかも誰にでもできるというわけではない。

そこを入社歴の浅い職員が適切にできればどうでしょう。

それはもうものすごく助かります。

場合によっては集めたデータで適切な意思決定まで任せられるかもしれません。

データを集める能力は社会人(上司)としては、

非常に助かるし、企業にとっても必要な能力です。

この能力を活かすために:必要とされるレベルを少しだけ超えるようにする

データを集める能力が重要なことは分かってもらえたかと思います。

その使い方の上で重要なのは、

相手の要求しているレベルを確実に満たすことです。

欲しい情報の的がズレていると目も当てられません。

あるいは、粗すぎても、細かすぎてもいけません。

概要が掴みたかったので、

ざっとした候補となるもののリストと特徴が3時間後に必要だった。

それに対して出てきたのは、

内容はマニアックなものまでを網羅した文章が2日後。

なんならマニアックものについて、

労力を注いで調べてある。

…これが入社当初博士あるあるです。

調べる能力が高い故に、

的を外したオーバースペックになっている。

これはどれだけ頑張っても残念ながらマイナスです。

※企業的には部下のレベルに合わせて指示(確認)をしていなかった、
 上役のミスです。

時間(と労力)をあまり気にせずに、

研究に没頭していたからです。

企業では限られたリソースを最適に分配する必要があるので、

やりすぎはあまり褒めらたものではありません。

これはすべての仕事に共通するのですが、

相手の要求しているものに応えることが重要です。

そして、それをわずかに超えるのが良い仕事です。

大きく超え過ぎるのはたまには感謝されますが、

あまり良いものではありません。

まとめ

前回の論理的な思考能力とも関連する能力です。

データを集める能力は、論理的な思考能力の中に含まれて、

包括関係にあると思います。



それでも、見過ごされがちで重要な能力なので、

あえて分けてとりまとめました。

これから就活をする博士のみなさん、

博士の採用を考えている企業のみなさんにとって有益な情報になれば嬉しいです。



では、また。