博士が企業で働く

博士の就職活動の始め方:他者との差別化

こんにちは、ひろすけです。

近日中に採用面接をすることになりそうです。

この時期にやるのは珍しいです。

なかなか良い応募者がいないな、

というのが率直なところです。

今回はどうしたら良い応募者になるか(と捉えられるか)、

少しだけ具体的な話として、「差別化」を意識しましょう、

という記事になります。

履歴書やエントリーシートを書く際、

面接に臨む際に生かしてもらえれば嬉しいです。

要点

  • 差別化とは自分と他者を区別し、自分の優位な部分(アピールポイント)を明確にすること
  • 差別化の対象として意識しておくのは、「学士修士」と「自分以外の博士」
  • 優位な部分を示す際には、実績や数量などの証拠と併せて提示できるようにする

まずは他者との差別化をする

私が履歴書で採用側として見るのは

・職歴(学歴)

・保有資格

・応募動機

です。

優先順位や重要視する部分は異なりますが、

何のために見るのかというと比較をするためです。

履歴書などはフォーマットが定まっているので、

採用側は比較がしやすいです。

逆に、応募者が工夫を凝らす余地は多くありません。

ただ、少なくとも提示した情報をもとに比較されるということは

しっかり意識しておくべきです。

そのためにまずは自分と応募してくるであろう他者を比較し、

優位な部分、アピールできる部分が何なのか、

を明確にしておく必要があります。

自分の強みがなんなのかです。

履歴書などで今すぐどうこうできるのは応募動機などの

自由度の高い記入欄ぐらいですが、

面接などではより多くの情報を伝えられます。

想定される質問にどう回答すると自分の優位性が

示せるかを意識しておく必要があります。

なお、応募書類をどの程度見るかですが、

私は回ってきたものには基本すべて目を通します。

数百人規模の応募があればどこかで機械的に処理されるかもしれませんが、

うちはそんなでもないので。

あと、実態として結構な数の応募書類が直筆ですが、

直筆でもPCで作成したものでも影響はしないです(うちの場合は)。

書くことそのものに時間をかけるぐらいなら、

早く書けるPCで作成して、その分の時間で内容を詰めることをお勧めします。

想定される応募者との差別化

募集要件にはどのような資格や経歴をもっている人が

応募できるかが記載されています。

当然この要件を満たしている人すべてが

あなたの競争相手になり、優位性を示さなければなりません。

募集要件が「博士/学位取得者」とでもなっていれば、

話は別ですが、ほとんどは4年制大学卒や大学院修士課程修了者などでしょう。

こうした場合に博士が意識しておくべきことは、

「学士修士」との差別化と、

「博士」との差別化です。

企業として迷ったら若い方を採用します。

これは残念ながら博士には厳しい基本戦略です。

迷ったらというのは比較して差がない/小さい時です。

つまり、応募してくる他の学士や修士に対して優位性を示せなければ、

その時点で勝ち目はありません。

博士が3歳や5歳(あるいはそれ以上)若い応募者よりも

優れていることを示しましょう。

(何をアピールすれば良いんだろうと思ったら、

別記事の博士の強みなどを参考にしてください。)

次に同じ博士に対する優位性です。

こちらの重要度は「対学士修士」に比べるとやや低いかもしれませんが、

意識しておく必要はあります。

博士だったら誰でもよいわけではない(=私でないといけない)、

というようなアピールができると良いです。

普通(世間一般でイメージ)の博士が苦手であろうことができる、

普通の博士よりも明らかに優れいている点などを軸にすると良いでしょう。

採用する側がどのあたりを重要視しているかが分かると組み立てやすいので、

企業理念などを見ておくとヒントがあるかもしれません。

優位な部分を効果的にアピールするために

あなたの得意なことや長所は何ですかと質問すると

「コミュニケーション能力に自信があります」とか

「何事も根気よく続けることができます」とか

そういったことが模範解答のように返ってきます。

ただ、こうした回答は響きません。

重要な要素ではあるのですが。

なぜかというと、採用側としては、

それを確かめることができないからです。

ではどうしたら良いのか。採用者に響くのか。

それは実例・実績・数、つまり証拠を併せて提示することです。

「コミュニケーション能力に自信があります」の後に、

「別分野の人に私から呼びかけて共同研究をスタートさせ、

その成果として論文X本をまとめました」

とか

「アウトリーチ活動に力を入れていて、

小学生から高齢の方までを対象したトークを企画し、

これまでにX回実施しています」

といったものがついてくると採用者としては、

うちでも力を発揮できそうだなと判断できると思います。

実例や実績があることで信憑性が高まります。

(これらを履歴書やエントリーシートに書いておいて、

 それを振り返るように回答するとなお効果的)

自分がアピールしたいことが明確ならば、

その実例や実績はまとめておいて、

ぱっと提示できるようにしておきましょう。

また、手持ちの実績で話をまとめていくのが

基本路線ではあると思いますが、

実績がないというのであれば実績を作っていく必要があります。

まとめ

今回は就職活動の履歴書や面接で押さえておくべきポイントとして、

他者との差別化と自分の優位性のアピールについてまとめした。

別の記事でも書きましたが、

博士はこうしたアピールが苦手なことが多いです。

せっかく高い能力を持っているのであれば、

それを十分に伝えられないのはもったいないです。

これはあなたにとっても企業にとっても損失です。

差別化という言葉はあまり良くないかもしれませんが、

自分は何が得意なのか、イメージしてアピールできるように意識してください。

この記事を読んで、面接の対策が少しできた、

エントリーシートの書き方が改善できた、

そんな声が聞けると嬉しいです。

ニーズがあればもう少し具体例なども書いていきたいですね。

では、また。