博士が企業で働く

説明に苦手意識をもつ人へ

こんにちは、ひろすけです。

突然ですが私は職業柄、人にものを説明する機会が多いです。

通常の仕事の中では打合せ、結果報告(中間報告)、成果報告、

講演や会議の司会を行うこともあります。

ありがたいことに、どうしたらうまく説明できますか、

と聞かれることがあります。

正直なところ、レベルによって気をつけるべきところが違うので難しいのですが、

超初心者向けには「自信をもって話すことです」と答えることが多いです。

自信をもって話すということ、

そのためには何をしたらよいのかを少しまとめたいと思います。

要点

  • 自信のない人の説明には、相手も懐疑的になる。話し手が自信をもつことで、相手は安心感をもつ。
  • 説明する内容について理解することが自信につながる。経験が乏しい人に必要なのは、理解を深めるための準備の時間。
  • 失敗しても良い機会で経験をして、フィードバックをもらう。失敗を過度に恐れないこと。

自信を持って話すことの重要性

話し手の情感というのは意外と相手に伝わるものです。

誠意であったり、熱意であったり。

逆にネガティブなものもよく伝わりまります。

「あ、この人あまり考えていないな」とか、

「準備不足だな」とかが分かるとマイナスです。

言葉がなかなか出てないとか、

たどたどしいのはない方がよいですが、

実際のところさほど問題ではないです。

喋り慣れていないんだな、と思うだけなので。

問題は、自信のなさが出てしまうことです。

相手が今喋っていることに自信がないのが伝わると、

聞いている方は「これ大丈夫か?」という気持ちになります。

正しいことを言ったとしてもきちんと受け止めてもらえません。

細かいところまで気になって粗探しを始めたりします。

逆に自信をもってしっかり話すことができれば、

相手も安心感をもって話の内容を理解でき、

本筋についての良い議論ができます。

自信をもつためには理解度を上げるしかない

自分が説明する際に自信を持つためには、

理解度を上げるしかありません。

自信がないのであれば、十分やったと自信がつくまで

事前準備をすることです。

ここでやりがちな間違いは、

資料のレイアウトや発表練習に時間を費やすことです。

それももちろん重要ではあるのですが、

それよりも内容についての理解を上げる方が先です。

関連する資料に斜め読みでも良いので目を通したり、

想定される質問に対する回答を準備したり。

これらに時間を割き、理解度を上げることが自信につながります。

また、すぐに自信が出るのはよいことではありますが、

それは過信です。

初心者ほど過信しがちなことは意識をしておくとよいです。

(→ 「知識」 「自信」 「ダニングクルーガー効果」で検索してみてください)

車の免許を取る時に、仮免許までスムーズに教習が進むと、

「もう1人で普通に運転できるよ?」と思うこと、なかったでしょうか?

私はありました…。自称中級者ほど痛い目を見ることになります。

ただ、理解度を上げるといっても時間がかかります。

すぐに使える小手先の技術も紹介しておきます。

・ゆっくり喋る

 ※早く説明を終わらせようと早口にならない

・相手の反応を見ながら喋る

 ※相手がついてきていない、不安に思っていそうなら聞いてみる

・わからないことは、わからないでよい

 ※わからないことを聞かれたら相手が鋭い質問をしただけ。
  下手に回答せずに「持ち帰って回答させてください」でよい。

極論、緊張はしていても良いし、

話し方はうまくなくて良いです。

相手をしっかり向いていれば伝わります。

シンプルに回数を重ねることで自信はついていく

理解度を上げるためには事前準備をしっかりとする。

言うのは簡単ですが、準備には終わりがありません。

どこかで区切りを付ける必要があります。

ここまで話したことと矛盾するような言い方になりますが、

自信がないまま説明をすることは、

決して悪いことではありません。

時間が有限である以上、

完璧な状態なんて作れないからです。

良くないのは自信がないからといって、

説明をしないことや、その機会を得ようとしないことです。

説明なんて回数をこなせば基本はそれなりのレベルに達します。

失敗しても対して問題のない機会で

数をこなすことが重要です。

大学ならラボのセミナーや、

内部の発表会、輪読会など機会は多くあるでしょう。

「自分なりに準備したから十分」と開き直って

説明する機会をとにかくもつことです。

もしそれでも不安なら、

「質問が来た時に自分が答えられない部分については、

 ●●さんから回答してもらいます」と

振るので、ヘルプ回答をお願いします、

と根回しをしておくのもの良いでしょう(これも準備のうち)。

加えて、漫然とこなすだけでは能力はなかなか向上しません。

自分でまずかったところを反省をするのは必須で、

可能であれば相手からフィードバックをもらうのが良いです。

発表や説明の度にそんなに準備していたら大変だと思いますよね。

それはそのとおりですが、回数を重ねれば重ねるほど、

地力がつくので準備に必要な時間は短くなっていきます。

私も入社当初は自分が説明する打合せ資料を何度も見返して、

自宅で音読したり補足説明の準備をしたりと

発表時間の十数倍の時間を使っていました。

今では通常の打合せや報告ぐらいであれば、

準備の時間はゼロ、資料を作って終わりです。

その中で想定質問であったり、

補足説明内容も処理してしまいます。

あとは訪問先に向かう道中で確認する程度です(最近ウェブばかりなのでこれさえなくなってきた)。

これはもう経験と慣れというほかありません。

なお、予算獲得のかかった企画説明、時間厳守のプレゼン時は

しっかりと時間をかけて準備します。

力を入れるべきところで、入れるのは変わりません。

まとめ

今回は、説明に苦手意識をもつひとに、

苦手でも回数をこなしましょう、

というシンプルなアドバイスを送る形になりました。

小手先の技術はいくつかありますが、

それで乗り切ってもあまり良いことはありません。

都度の説明に真摯に向き合っていれば、

だんだん説明やその準備のコツをつかんでうまくなって、

自信がついてきます。

得意とまではいなくても、

普通にやれますというぐらいにはなっておきたいですね。