こんにちは、ひろすけです。
博士課程の学生の本分は実験や調査と論文書きです。
ただ、先を見据えてやっておいた方が良いことはたくさんあります。
アカデミアにいる先輩からは、
「短期でも留学をした方が良い」というアドバイスなどが
上位に上がってくるのではないでしょうか。
私からは日本の民間企業に勤める者という視点から、
採用でアピールできるポイントでお伝えしたいと思います。
要点
- やった方が良いのは企画をして人をとりまとめるという経験。学会の集会やシンポジウムなど。
- アカデミアでの採用では評価されにくいが、企業としてはリーダーとして人をまとめる意思や能力がある人は貴重。
- 企画やとりまとめの実績が強みになると認識し、アピールすることが重要。
主宰者になろう
博士課程でやっておいた方がよい経験はたくさんあります。
論文や研究上のスキルアップはもちろんですが、
アカデミアでの将来にも、企業に就職する上でも、
やっておいた方が良いのは「主宰者」としての活動です。
学会のシンポジウムや学会での集会が一番わかり易いです。
共同研究をもちかけるというのも良いかもしれません。
自分がその集団のリーダーとなって、
目標設定をして、とりまとめをおこなっていくという作業が含まれれば
何でも良いです。
ラボ外での活動のハードルが高いなら、
学内の研究会やラボ内の勉強会でも良いかもしれません。
なお、留学は大きな企業では評価の対象になりえると思います。
英語力という点で。
ただ、そもそも日常業務で英語をほぼ使わない業種、
日常英会話では役に立たない業界も多いので、
全面的にオススメはできません。
主宰者は企画と人をまとめる能力を鍛えられる
学会のシンポジウムを何回やったからといって、
アカデミアの採用上の評価にはほとんど影響しません。
分野によって違うかもしれませんが、
少なくとも私のいた分野はそうでした。
しかし、企業での採用は違います。
前提として企業内では「指示したことをきちんとやってくれる人」が重宝されます。
指示する側からすると、
分からないなら分からないと
無理そうなら早めに無理と
言ってくれるだけでどれだけ助かることか…。
しかし、重宝される人だけでは組織は成り立ちません。
いずれ(できれば早く)リーダーになるような人がほしいです。
そんな面から、自ら必要な企画をし、人をまとめた経験がある人は
プラスの評価になります。
今、組織に必要なことを企画・発案し、
必要なメンバーと協力しながら進めていってくれる、
そんな人材がいたら引く手あまたです。
私の勤める会社でも、
自分で必要と思ったことを進められた人が
幹部職員になっています。
今、必要なことを考えて、実行に移す。
そういう仕事を博士課程のうちに繰り返し経験しておくと、
どこにいっても通用する人になれるでしょう。
評価される実績も相手に伝わらなければ意味がない
シンポジウム等の主宰の経験があっても、
それを評価される場面で提示できなければ意味がありません。
アカデミアでは大した評価にならないからと
きちんと提示しないクセが付いているともったいないです。
主宰した企画を進めることになった自分の中での動機付け、
どんな困難があり、それをどう乗り越えたか、
その経験をもとに企業内でどのようなことができそうか。
このあたりをうまく整理して提示できればとても強いアピールになります。
私自身も採用時には、自分が筆頭となった共同研究や、
学内で予算をとって行ったシンポジウム、
学会での集会などをアピールしました。
そういった点も評価されたのか、
ウソかホントかはわかりませんが、
入社時から幹部候補として見られていたそうです(2年目に社長に言われた)。
みんなにそう言っているかもしれないですけどね笑
まとめ
今回は、博士課程で経験しておいた方が良いこととして、
企画と人のとりまとめの経験を紹介しました。
アカデミアの道に進むとしても、
早めに経験した方がよいのは間違いないです。
自分にはまだ無理と思ったら、
近くの力を借りましょう。
必要だと思ったらそのタイミングで人を巻き込んで、
これも一つの勉強(少しぐらい失敗しても良い)と思ってやりましょう。
初めてだからできないと思っていたら、
新しいことは何一つできないですからね。
本当に必要な経験は、いつもの研究という枠を少し越えた
チャレンジなのかもしれません。