博士が企業で働く

企業から見た研究者のイメージ

こんにちは、ひろすけです。

私の会社では大学や研究機関の研究者と

協力して仕事をすることがしばしばあります。

協力と言っても一緒に業務を行うというよりは、

情報をもらったり、助言をもらったりすることがメインです。

そんな会社の職員から見た研究者のイメージについて、

興味深い意見があったので記事にします。

なお、私はもともと基礎科学分野のポスドクだったので、

該当分野については研究者が本当は

どんな雰囲気だったのかだいたいわかります。

そんな視点ですので参考になれば。

要点

  • 研究者と関わる仕事をしている職員からみて、研究者っぽい≒ルーズ。
  • 否定はできないが、優秀な研究者はしっかりしている。
  • 企業的には研究者っぽいというのはマイナスイメージもあることは認識しておく。

研究者っぽいとは

私の会社の同僚(それなりの役職)は

仕事よりも興味を優先する傾向を研究者っぽさと表現していました。

例えば、依頼した仕事にはなかなか返答がもらえない。

けれど、別の研究内容についての質問をするとすぐに反応がもらえる。

確かに世間の研究者像に合致しそうです。

私の知っている大学の先生方にもそのような傾向があったりします。

そこまでは言っていませんでしたが、

仕事、特に自分がやりたくないものには

ルーズという批判も含まれているように感じました。

大学院生やポスドクがイコール研究者というわけではないかもしれません。

ただ、世間からはそういった目で見られるかもしれないということは

頭においておく必要があります。

ルーズなのは研究者だけではない

私としては思い当たる人もそれなりにいるので研究者が

研究者がやりたくない仕事に対してルーズなのは否定できません。

やりたいことや自分の興味を突き詰めて職にしている人が多いですから、

そうなりがちなところも腑に落ちます。

会議の時間を忘れたり、ミーティングすっぽかしたり、

大事な書類をなかなか出さないとか大学教員あるあるなのかも。

ただ、研究者の中にもきっちりしていて、

メールの返答も早いし、マメな人も実際にはいます。

当然ですが、企業の中にも振られた仕事に対してルーズな人はいます。

冒頭の「研究者っぽい」というのは、

実は別の職員に対する評価でした(「っぽい」なので本職に使われたものではない)。

私の体感としては、人によるところが大きいのですが、

研究者にはやはり時間や仕事にルーズな人は割合的には多いように思います。

そもそもそういう気質なのかもしれないですが、

単にタスクが異常に多い(仕事を抱えすぎ・持たされすぎ)のようにも思います。

すべての仕事を自分で管理しないといけないですからね。

会社員では入社後に教育(矯正)されるからか

突き抜けた人はあまりいません(いるにはいる)。

また、ある程度は上役が責任を持って管理することになるので、

大きな問題になることにはなりにくいです(なることもある)。

あと、あまりにルーズだと外の仕事に出されにくくなるので

会社員としては観測できないのかもしれません。

研究者っぽさは一般企業にとってはマイナス

研究者っぽいというイメージはおそらく企業にとってはマイナスです。

博士後期課程の大学院生やポスドクが企業を対象に就職活動を

するのであればそのようなイメージを

もたれているという前提で振る舞った方が良いでしょう。

(なぜか「技術者」というと頑固だけど実直のようなイメージで、

 プラスにはたらくこともあるので不思議ですね。)

対策は簡単です。

アカデミアの中にいながら、

「研究者っぽさ」を裏切るような実績を積んでいることです。

例えば、

・事務手続きをスムーズにできる(こなしている)

・時間や期限をきちんと守ってきた

・自分の研究活動に直結しないが役に立つであろうことをしていた(後輩の指導、ラボ内のルールづくり、チームのタスクやスケジュール管理とか)

などがあげやすいかもしれません。

いずれも具体例となる実績(行なった数量・回数やその効果)を

つけるとさらに伝わりやすい良いでしょう。

こういった実績が思いつかないのであれば、

これから実績をつけるためのアクションを起こすか、

振り切ってそのまま研究者を目指すかです。

(ただ、先の3項目は研究者になっても間違いなく役立つものです)

研究者にはそれ以上の適性や能力が必要になるので、

「っぽい」だけでは決してなれないので覚悟なのは言うまでもありません。

まとめ

今回は会社員がもつ研究者のイメージをもとに記事をまとめました。

誤解のないように書いておくと、

私自身も研究者を目指していましたので、

研究者である方には敬意があります。

イメージどおりの人もいるし、

そうでない人もたくさんいます。

会社員にもルーズな人はたくさんいます。

どんな勤め先でもいるんでしょう。

今回の記事は、アカデミアや研究者を批判するものではなく、

企業や一般社会から見たイメージを認識するためのもの、

特に企業に就職する方向転換をする人への助言とご理解ください。