博士が企業で働く

企業で働ける博士:②人と一緒に仕事ができるか

こんにちは、ひろすけです。

世の中には色々な仕事がありますが、

企業で働くのであれば個人で働くことはありません。

個人事業主でも他者とのかかわりを断って働くことはできないでしょう。

他者と協力して仕事をする、物事を進める。

このイメージができていないと、

就職活動も就職してからも苦労することになります。

今回は、自分が企業で働いて活躍することができるか、

それをイメージするためのシリーズとして、

他者と仕事ができるかを自己判断してもらえればと思っています。

要点

  • 人と一緒に仕事ができるイメージがないと企業で働くのはかなり厳しい
  • 仕事での人との関わりは社内と社外があるが、重要なのは社内
  • 研究活動の中での人との関わりをアピールしよう。

人と一緒に仕事をする

自分は他人と一緒に何かをするのは苦手だし、

研究もずっと一人でやってきた、という人は

残念ながら企業で働くことは相当難しいです。

というか無理だと思います。

前段でも触れましたが、

一人で完結できる仕事というのはほとんどないです。

企業というのは規模はそれぞれですが、

人の集合体で、何らか目的のために利益を得ながら活動しています。

企業内での協力も必要ですし、

対外的な関係の構築も重要になります。

社内での人との関わりがあまりいらない職種として、

営業職で個人事業主のような成果ベースで働いている

企業はあるにはあります。

この例では営業先との関係の構築は必要ですね。

(そして企業内では相手を蹴落とし合うような恐ろしい状況らしい…)

あるいは別の例として、

非常に優れたデータ分析能力やプログラミング能力をもっている人を

社内の技術専門職としておいている企業もあります。

こちらは対外的な対応は必要ないですが、

逆に社内での意思疎通や協力は必須です。

とても優れた能力や技術があり、

それだけで企業に価値をもたらせる場合もなくはないです。

そういった突き抜けた能力や技術があり、

対人関係が煩わしいと思うのであれば、

アカデミアで活動する方が良いように思います。

アカデミアでも協同研究は当たり前のようにありますし、

指導する/されるといった協力関係は必要だと思いますが。

仕事での人との関わりは社内と社外

仕事での人との関わりは社内と社外がありますが、

より重要視されるのは社内だと思います。

もちろん、業界や職種にもよると思いますが、

一般論として、また新卒採用に近いものであれば、

圧倒的に社内です。

入ってしばらくは仕事のやり方を覚えるために、

先輩や上司から指導を受けながら仕事をすることになります。

指導を受け止めて素直に実行できるかは重要なポイントです。

それより何より、職員同士の関係が悪いとチームや組織は崩壊します。

人間関係を重視しない人を入れるのは組織としてのリスクはかなり高いです。

定期的な人のシャッフル(異動)があったり、

会社にフィットさせるような仕組みがあれば、

能力重視で入れることもできなくはないかもしれませんが稀なケースでしょう。

具体的な例でいうと博士はそれなりの年齢ですので、

年下の先輩(あるいは上司)がいることになります。

そしてその先輩や上司は、当然実務能力は上ですが、

別の能力は博士(自分)よりも能力が低いことがあるかもしれません。

こうした相手とうまくやれるか、

敬意をもって接することができるかはイメージしておいた方が良いです。

なお、私が入社した際には教育係として、

先輩職員をつけてもらいました。

年齢的には私よりもだいぶ歳年下だったので、

相手の方はやりにくそうでした。

私はあまり気にならなかったですが、

採用する側はバランスも考えますので、

年齢的にやりにくい関係が出てきそうであれば、

採用する側としては気になったりします。

なお、教育係だった先輩職員とは、

未だお互いに敬語です(関係は良いけど抜けない)。

研究活動の中での人との関わり方でアピール

博士の採用やキャリア採用の際には、

社内にいる「年下の先輩」とうまくやれるかは

きちんと伝えておく方がよいでしょう。

先に入った人にはまず敬意をもって接することができると

いうことが相手に伝わると良いでしょう。

(※先の人の言いなりになるというわけではないですよ。)

共同研究などで、分担しながら成果をあげた例があると、

説得力が増します。

加えて、採用側としては、

あなたが持っている能力を社内で発揮・伝播することを期待しています。

自分から周りを巻き込んで動きを作るような積極性があると評価されるでしょう。

勉強会や集会、共同研究などで、

リーダシップを発揮した例や

ちょっと気難しい人とでもうまくやった例があると心強いですね。

できれば自分が指導される側だった具体例と、

指導する側だった具体例の両方があるとさらに頼もしいです。

まとめ

企業としては、企業内にすでにいる人と、

新しく入る人がうまくやれるかは最も気を使うことの1つです。

ず敬意をもって先輩や同輩に接することができるか、

コミュニケーションをしっかりとる意識があるかは重要なポイントです。

自分の方が正しいと思えば何を言ってもいいんだ、

と思う人は危ないので気をつけましょう。

アカデミアはしっかりと主張することが重要な世界で、

それ自体は悪いことではないのですが、

企業で力を発揮するには少しやり方を考える必要があります。

それをするなら場所とタイミングをちゃんと見極めましょう、

というだけの話です。

なお、私自身も博士の例に漏れず(?)、

正しいと思ったことはガンガン言う方です。

方向性そのものは変わりませんが、

今は言い方や言うべき相手をしっかりと考えるようになりました。

それだけで物事を自分がより良いと思える方向に

進めることができるようになったので、

入社当時のやり方はまずかったなぁと反省しています。

話がそれてしまいましたが、

採用側としては協調できる人かというのは重要なポイントです。

博士は「その点は大丈夫か?」と色眼鏡をつけて見られることもあるので、

まずは自分自身が人と協力して仕事をするイメージを持てるか、

しっかりと考えるきっかけになれば嬉しいです。

では、また。