こんにちは、日本。
ひろすけです。
このブログでは、博士後期課程を修了し、ポスドク経験もある私ひろすけが一般企業に就職して、
わかったこと、経験したことを中心に日々気をつけていることなども書いていく予定です。
そのスタートアップの記事になります。よろしくお願いします。
要点
まずはタイトルへの回答です。
- 博士は十分に企業で活躍できる素養を持っている
- ただし、活かせるスキルと活かせないスキルがある
- 最終的には企業と個人の組み合わせで決まる
博士が持っている基礎能力とは
3年間の博士後期課程で得られる知識や技術は膨大です。分野にもよるのでしょうが、論文や文献から得られる専門分野の知識、実験・分析・解析をする課程で身につく技術。例えば私なら、研究対象にしていた項目なら、当時日本で一番詳しかったでしょう。加えて、必要性に迫られて統計解析の技術と、専用ソフトでのプログラミングの技術も身に着けていました。
これらはあくまで一例で、もっと細かいものをあげればきりがありません。また、実験対象や研究分野が異なれば身につけた能力は全く違います。
そんな中で、すべての博士が共通してもっているであろう能力はこれ。
・論理的な思考能力
・ライティング能力
自分で取ったデータを解釈し、論文としてまとめて発表する。この過程で身につく能力で、当たり前すぎる能力です。ただ、当たり前のことができる人は、実は世の中にはそう多くありません。特に論理的に物事を考えて必要なことを実行できるのであれば、どんな場所でも活きてきます。それをライティング能力で形(企画書・報告書)にすることができれば、企業は喉から手が出るほどほしい人材でしょう。
本当はもっとあるのですが、おいおい整理していくことにして、ここでは博士として標準装備している基礎能力は間違いなく企業で活かせる、とまとめておきます。
活かせるスキルと活かせないスキル
論理的な思考といった基礎的な能力は活かすことができます。基礎的な能力は応用が効くからです。逆に言うと、博士課程で最も熱量を注いで磨き上げたであろう専門的な能力は、使えないことが多いです。
例えば、私の実例で行くと日本一詳しかった研究対象の知識は今は一切使う機会はありません。プログラミングについては素養は役には立ちましたが、会社で採用しているソフトが違うので、そのままは使えませんでした。
ニッチな専用工具があまり売られていないのは使う場面が限られているからです。同じようにあまり狭い一つの分野に特化したスキルは活かすことが難しいです。さらに悩ましいのは、博士としてそこにはそれなりのこだわりがあるからです。
最終的にはお互いの組み合わせであり、縁
これを言っては元も子もないかもしれませんが、自分が活躍できるか、身につけた能力がどの程度活かせるのかは、あなたと企業の組合せで決まります。組合せは無限にあります。元研究者としては適切な表現ではないかもしれないですが、「縁」です。博士と企業でフルマッチすることはないにしても、8割合うケースもあれば、1割もあるでしょう。こればかりはお互いが何を重視するかです(このあたりも今後の記事で)。
私の場合は、博士のころと今の企業は広い意味では同じ分野ですが、対象も目的も違います。和食という広い分野では同じだけど、寿司とそばぐらい違う温度感です(私はどちらも大好きです)。おそらくそれなりにもともと持っていたものが活かせた方だと思いますが、もっと合うケースも合わないケースもあります(自分の会社には別の”博士”もいて、それを見ていても改めてそう思います)。
まとめ
今回の記事は以上です。
就職を考えている博士課程の学生やポスドク、
大学院に進学しようか悩んでいる学生、
博士の採用を検討している企業のみなさんの参考になれば嬉しいです。