博士が企業で働く

博士の就職活動の始め方:譲れないものがなにか優先順位をつける

こんにちは、ひろすけです。

これまでは私の事例や考え方などを中心に、

博士が企業で就職することについて書いていました。

今回はより具体的に、どのように就職活動をすればよいかを

記事にしていきたいと思います。

一般的な学士修士の就職活動と共通する部分も多いので、

特に重視するべきポイントに絞って紹介していきます。

今回は、応募先の選び方に直結する自分の中の優先順位付けについてです。

要点

まずは要点です。

  • 自分の中で絶対に譲れない条件を明確にして、優先順位をつける
  • 作成した条件で実際に候補となる応募先があるかを探してみる
  • 応募先がない場合は、どの条件がネックになっているか/修正できるかを考える

応募先を選ぶために自分の中の優先順位をつける

今回の記事の伝えたいことのすべてがこれで、

自分の中の優先順位付けです。

あなたはアカデミックという特殊な世界から、

一般の企業を対象に広げるわけです。

同じ条件で考えていると応募先が全く無かったり、

もともと持っている条件が緩すぎると対象が多すぎることになります。

まずは自分が絶対に譲れない条件を3~5程度挙げてみましょう。

誰も見ていないので格好をつけたり、遠慮する必要はありません。

ここがうまくできていないと後の就職活動が無駄になりかねないので、

慎重に・確実に自分の心の声を聞いてください。

あまり人のものを参考にするのも良くないですが、

例として私の譲れなかった条件も書いておきます。

アカデミックを出る以上は、

家族に苦労はさせたくなかったので安定した生活がしたい。

ただ、せっかく働くのであれば博士課程やポスドクでの

経験を活かせる方が自分は楽しいはず…

よくよく考えるとそんなに条件は多くなく、

これぐらいでした。

そして、譲れないものが思い浮かべられたら、

それに優先順位をつけて、自分がよく見るものにメモしておきます。

付箋でも、スマホのメモ帳でもなんでも良いです。

後々のことを考えてデータ取りをするなら、

Excelのようなスプレッドシートが便利かもしれません(私はそこまでしていなかったです)。

私の例で行くと、

①任期のないポストであること

②家族と安定した生活ができる程度の給与があること

③研究をする中で得た知識や技術が活かせること

このような形で譲れないものを順位付けしていきます。

なお、アカデミック一本で行こう!と思っている人もやってみると良いと思います。

何に自分が拘っているのかがよくわかり、

今後のモチベーションになると思います。

優先順位をもとに応募できる企業があるかを探す

優先順位がつけば、あとはそれに応じて応募先を探し、

応募側が要件を確認していきます。

応募先の探し方は、またどこかでまとめようと思いますが、

大手などを含めるのであれば求人/転職サイトがあります。

自分の所属している分野の学会やメーリングリストでも

求人情報が得られるケースもあります。

JREC-INでも企業からの求人はあります。

普段読み飛ばしている情報を職探しの視点でしっかりと見ていきましょう。

なお、学会やメーリングリストで私の勤め先から求人広告を出すことがあります。

ですが、今は求職者が強い売り手市場だからか、

企業の魅力の問題なのか、あまり反応がないのが実態です。

何が伝えたいかと言うと、多数の人に届いている情報でも、

見て・応募する人は少なく、それを理由に尻込みする必要はないということです。

情報のサーチを始めたら、自分の条件に合う企業があるのか、

あるのであれば、応募資格があるかを確認していきましょう。

応募先が実際にあったのであれば、まずは1件出してみましょう。

ここしかない!という企業があるのであれば、

慎重にした方が良いですが、

そうでなければまずは経験と思ってトライしてみましょう。

企業側(そして若干採用する側になった私)からすると

ぶっちゃけ「とりあえず応募」は止めてほしいのが本音です。

万が一、とりあえず応募の人が最終選考まで残って、

辞退とかなると選考の労力がすべて無駄になるわけですね。

ただ、就職活動をする一人の個人の視点でいくと、

企業側の都合に合わせる必要はありません。

そこから得られる情報もあるので、とりあえず出すべきでしょう。

(絶対に行く気がないなら応募は止めましょう。自分にとっても時間の無駄です)

迷ったら応募してみる。ただし、本気で。

私がどうこう言っても、結局は他人の話です。

自身の経験から得られるもの以上に、

あなたにとって価値があるものはありません。

まず一歩を踏み出すことです。

就職活動の場合は、それが応募です。

応募先がない場合は、自分の条件を振り返る

自分が作った優先順位に沿って情報源をあたって、

候補となる応募先が出てくる場合は応募をしてみましょう。

問題は応募先がない場合です。

応募先がないのは、

①条件に合致する企業がない

②条件に合致する企業はあっても自身が応募要件を満たしていない

の2パターンがあります。

どちらも対処法は自分でつけた優先順位に立ち戻って、

修正・緩めることができる条件がないかを確認します。

こうした場合は条件をExcelなどでまとめておいて、

応募先がどの条件でマッチしなかったがデータベースになっていると

緩和すべき条件を検討しやすいです。

なお、そもそも条件に「XXの研究がしたい」のような

ほぼアカデミックでしかできないような条件が入っていたり、

「入社時年収600万円以上」のようなハイスペック求人のような条件が入っていると、

当然ですが応募先は非常に限られます。

優先的に緩和したり、

場合によってはその条件が本当に必要かを考えてみましょう。

自分の譲れない条件は重要ですが、相手がある世界ですので、

自分にどれぐらいの市場価値があるのかも同じぐらい重要です。

特に年齢や実務経験が応募要件のネックになる場合が多いと思います。

企業が求めているものと自分の現状のミスマッチは、

謙虚に受け止めるしかありません。

求人を探す場所や時期が変われば、

マッチする企業が現れる可能性もありますが、

相手を待つだけというのはお勧めできる方法でありません。

基本的な調べ方で、半年~1年ぐらいやって応募先がほとんどないような状況であれば、

条件を総点検する必要があると思います。

また、この課程を経て、

やっぱり自分にはアカデミックが合っている、

という結論は大いにありだと思います。

自分にはここしかないという思いがあれば、

これまでとは違った過ごし方ができるはずです。

まとめ

今回は、就職活動の第一歩となる企業の選択たための

自分の中での優先順位づくりをテーマにしました。

就職活動を始めようか悩んでいるけど、

何から初めて良いのかわからない、

そんな人が応募先を選択できる段階に進む手助けになれば嬉しいです。

では、また。