博士が企業で働く

博士が就職する上でのウイークポイント:アピールが下手

こんにちは、ひろすけです。

今回は博士のウイークポイントシリーズの3回目、

アピール下手についてまとめていきます。

私自身もできているようでできていなかったり、

振り返ってみるとそんなに得意ではなかったで、

同じようなウイークポイントを抱えている人は多いと思います。

要点

まずは要点です。

  • アピール能力が低いのには、そもそもアピールをしないのとアピールの的を外しているの2つがある
  • 博士は就職にあたって業績の数量で競っていることが多く、自分をアピールする経験がそもそもほとんどない。
  • 企業に就職するなら、相手が求めているものをしっかりととらえて、その回答を発信する必要がある。

アピールをしないのはマイナス、ポイントを押さえてしっかりと加点を得る

人事関係の評価をする時に、また採用に少しだけかかわるようになって、

アピール能力って重要だな、とつくづく思います。

たった数分の面接や1枚の記入シートで印象ががらっと変わります。

特に合ったこともない採用担当にしてみれば、

応募票やESはあなたの第一印象そのものです。

大企業なら色々な足切りがあるのでしょうけれど、

中小企業ならそれを採用担当や経営者がしっかり見ることになります。

そして、採用する側には結構な労力も費用もかかります。

時間を割いて見ている側からすれば、

目を惹くようなものがなければあえて選ぶようなことはしません。

それを踏まえて、まずはしっかりとアピールすることが重要です。

そして、アピールをしたつもりでも届かなければ意味がありません。

私自身も「聞きたいのはそれじゃないんだけどな…」や

「それはこの場ではマイナスなんだけど…」と思うような

アピールを目に・耳にすることが少なからずあります。

自分が評価者になったつもりで何が加点になるのか、

これをしっかりと押さえておきましょう。

なお、アピールに関してはそもそも多くの人は苦手です。

特に博士が新卒と並んだ時、同年代で比較した時に、

相対的に低く感じるのが私の印象です。

無難にどこにでも書いてあるようなこと、

テンプレの応答をするのは本来大きなマイナスでもないです。

ただ、それが競争相手となる他の応募者にはできている事実があり、

相対的にマイナスなのです。

研究のアピールは得意な博士、自分のアピールは苦手

企業が欲しいのは、しっかりと仕事ができるあなたです。

業績はその指標や証拠にはなりますが、

アピールすべき本体はあなたです。

博士はプレゼンテーション能力が高いです。

学会やセミナーでパワポを使って自分の研究紹介をする機会が多くあるからです。

これ自体は大きなアドバンテージです。

ただ、就職活動でのアピールとなるとその力が十分に発揮されません。

自身の研究の面白さ・新規性・重要性をアピールするのは上手いのです。

そこに重きを置くあまりに、

自分自身をアピールすることを忘れてしまいます。

通常、集会などで1時間の講演があると、

5分ぐらいで自己紹介や経歴紹介をして、

残り45分でしっかり研究成果を説明しますよね(質疑10分)。

研究発表の場ですから研究成果にウエイトを置くのは当然です。

ただ、これをそのまま企業での自己アピールに使うと大失敗です。

評価すべきは研究内容・研究成果であるアカデミック内が

成果のみで評価するというのはフェアです(成果をどう評価するかはおいておいて)。

そこには人柄などが介入する余地は小さいかもしれません。

本来的には研究以外の能力の影響は小さければ小さい方が良しとされるでしょう。

成果を積み上げることが良しとされる文化になります。

※ただし、それでも成果をアピールする能力は必須だし、
 人柄も大学教員なら教育者という点も重要なので総合的な評価にはなる…はず。

アカデミック業界にいると成果以外のアピール、

根回しは邪道という雰囲気があります(少なくとも私の周りにはあった)。

そこにどっぷりと漬かっていた博士やポスドクが、

企業向けのアピールが苦手なのは道理ではあるのです。

企業が求めているのは応募者が自社でその能力を発揮できるかという点に尽きる

企業向けのアピールですべきは、

あなたの能力が企業に必要なもので、

それを活かす適性があることです。

先の1時間の講演の例でいくと、

企業が知りたいのは、5分で済まされてしまった、

あなた自身の紹介の部分です。

業績の内容よりも、むしろそれをどのようにして達成したのか、

そのプロセスや人柄こそ知りたい部分だったりします。

なので、

・応募動機と自己紹介
・これまでの成果(業績)
・自分が得た成果を企業でどう活かすか

あたりを均等なウエイトで話すぐらいがスタート地点です。

採用の段階や企業風土によって、ウエイトの調整は必要ですが、

少なくとも「自分」を軸にアピールすることは忘れないでください。

当然ですが、アピールするのは良いのですが、

誇大な表現は避けましょう。

百戦錬磨の採用側には分かりますし、

それで入社できたとしてもきっと苦労します。

入社(就職)はゴールではなく、

下手をすると30年以上も続く生活のスタートです。

どうしても入りたい企業があるなら、

そのために企業が評価してくれる実績を得ること、

得た実績は100%アピールすることが近道です。

まとめ

今回は、博士のアピール能力について、まとめました。

博士の(自己)アピール能力の低さ、

控えめな部分はアカデミックと企業の文化の違いが強く出ているように思います。

ただ、アピール能力そのものが低いわけではないです。

必要な能力そのものは備わっているので、

やるべきことは認識を変えるだけです。

せっかく高い能力を持っているのですから、

それが正当に評価されないのは残念です。

相手に評価されるように正しくアピールをしていきましょう。

なお、この能力は企業への就職活動だけでなく、

自分の評価を高めて、仕事をやりやすくする点で就職後も役立ちます。

就職活動やそれ以後の参考になれば嬉しいです。

では、また。