博士が企業で働く

博士が就職する上でのウィークポイント:時間にルーズ

こんにちは、ひろすけです。

前回までいくつか博士の強みについての記事を書きました。

強みを活かす/アピールすることは重要です。

もう一方で企業・採用する側が「ここは大丈夫?」と気になっている

ポイントを解消する必要もあります。

強みはある程度共通性が高かったと思いますが、

まずは「個人に依存する部分がかなり大きい」ことは予め伝えておきます。

私のアカデミック時代の経験、

就職してからの周囲の博士の働きぶりも踏まえて、

相対的に多いウィークポイント=該当するなら直しておいた方が良い部分、

としてまとめます。

初回は「時間にルーズ」です。

要点

まずは今回の記事の要点です。

  • 時間にルーズとはどういうことか
  • 時間にルーズな博士は環境が作り出す
  • 自分が時間・期限を守れることを示すには、計画性のある行動の実例が有効。

時間にルーズとはどういうことか

時間にルーズというと遅刻が多い、

が一番に頭に思い浮かびます。

確かに決められた時間に決められた場所にきちんといる、

というのは基本ですが、

仕事という点では計画・約束の期限をきちんと守れるかというのが重要です。

あなたは時間を守れる人でしょうか?

決められた時間にラボにいますか?

計画通りに研究を進めていたでしょうか?

締切を守って、論文を書いていましたか?

指導教官や協同研修者に催促をされたことはないですか?

すべて問題なし、というひとはほとんどいないでしょう。

博士(後期)課程であれば学生という身分ですが、

学士や修士で卒業して社会に出ている同年代は

常に締切を意識して働いていることは念頭においておく必要があります。

ポスドクで思い当たることが多い人は、

早めに改善した方が良いです。

研究を続けるにしても、就職をするにしても、

時間にルーズで良いことはありません。

なぜ時間にルーズな博士が生まれるのか

私が思う一番の原因は大学という環境に時間や締切に厳しい人が少ないからです。

モラトリアムを求めて/会社員が嫌だから、と博士課程に進む人もいます。

そういった人のバイアスがあることも事実だと思いますが、

きちんと教育する機能(ある意味での厳しさ)があれば問題ないと私は思っています。

セミナーに遅れてくる(そもそも来ない)教官、

留年しても焦り・行動のない先輩、

締切ギリギリになってバタバタする周囲の人達、

思い当たる節はありますか?

人間の成長は環境に強く影響を受けるので、

長くいる人ほど、その環境に染まっていきます。

もちろん、要所要所で申請や卒論といった重要な期限があります。

丁寧な先輩・厳しい指導教官であれば、

きちんと締切を守るように指導してくれるでしょう。

しかし、大学院生、特に博士後期課程にもなると、

どんどん自己責任の領域が広くなっていきます。

成果が出せなくても、留年しても、学位がとれなくても、

最終的には自分の責任です。

時間にルーズな人にも

徹底的にこだわる人と

そもそも全く計画的でない人がいます。

博士に多いのは前者…であると良いのですが、

個人的な印象では、後者が圧倒的に多いです。

最近ちょっと採用にも関わるようになってきた私でも

この点では博士の採用には慎重です。

ここまで書いたようなことを経験的に知っているし、

同僚・後輩の博士からも感じ取っているからです。

採用時には企業がきちんと計画的に物事ができる人物か、

色眼鏡で見られることは意識しておいたほうがよいでしょう。

時間がきちんと守れることをアピールするには

時間が守れるようにする方法は簡単ではないので、

そこは個人の努力に委ねることにします。

あなたが就職活動をする際に「博士だけどきちんと時間守れるか?」という

色眼鏡を解消するためのアピールポイントは伝えておこうと思います。

それは計画を立てて、そのとおりに実行した、という実例を示すことです。

その時は一人ではなくできるだけ多くの人が関わったもので、

成果が確認できるものが良いです。

例えば共同研究であれば、

「他大学も含む●年間の共同研究を行う際に、

実験計画・中間報告・結果報告の計画を作成し、

基本的にはその通りに実行した。

成果はXXXという学会で発表している」といった例です。

あるいは集会やシンポジウムの企画も計画通りに進める必要があるものなので、

以下のようなものもアピールできます。

「シンポジウムを企画運営した経験があります。

 その際に、企画書の作成とスピーカーの選定、

 講演内容の調整を行いました。

 該当するものはX学会のYというシンポジウムです」

単に、提示された締切を守り続けました、

というのはアピールポイントとしては弱いです。

企業側が確認する実績とからめてアピールするのが良いでしょう。

まとめ

今回は博士のウィークポイントとして時間にルーズな人が多いこと、

について懸念点と、対策/アピール方法をまとめました。

学士や修士卒の人にも時間にルーズな人はいますし、

博士でも恐ろしいほどきっちりしている人もいます。

人による部分が多いですが、

あくまで博士に相対的に多い印象がある=採用側も懸念している、

という意識を持っておいてもらえると良いかと思います。

この記事を参考に就職活動のアピール内容を考えてもらえたり、

自身の弱点を見直す機会にしてもらえると嬉しいです。

では、また。