博士が企業で働く

博士の就職先:公務員

こんにちは、ひろすけです。

これまで博士の企業への就職を想定して、

記事を書いてきました。

少し目線を変えて、

別の就職先(職業)として公務員ってどうなの?という点についてまとめてみます。

就職先は何も企業だけではないので、

公務員というのも選択肢の一つ、と参考になれば。

要点

  • 公務員には総合職と総合職・専門職・一般職があり、博士の選択肢としては総合職か専門職
  • 総合職はジェネラリスト的な能力が要求され、定期的に異動で仕事内容が変わる
  • 試験や事務処理能力が高い人にはオススメだが、その地域に貢献したいという想いがないと辛い

公務員の分類と博士が目指すなら

私は公務員ではないのになぜ公務員のことを語れるのか。

それは私のクライアントの一定割合が公務員だからです。

地方自治体に職員を出向させるケースもあります。

そのため、私自身は公務員としての勤務経験はないのですが、

仕事のパートナーとして外からは見ています。

ただ、公務員と言っても幅が広いので、

ここでは私が知っている省庁や都道府県庁、市町村役場といった

いわゆる役所勤めの人を対象にします。

そして、公務員に総合職や専門職、

一般職といった分けもあるのですが、

このあたりの詳しい説明は他のサイトに情報がたくさんあるので、

あまり触れないことにします(ついでに就職までの流れも略)。

ただ、博士が目指すなら幹部候補の国家公務員総合職ないし地方公務員の行政職か

専門性を活かした国家公務員専門職か地方公務員技術職になると思います。

今回は総合職や行政職の方なので、

そちらについて触れていきます。

※あまり細かく説明しても面倒なので役所にいる人、と考えてください。

事務仕事と特徴的な異動というシステム

公務員の仕事内容は事務仕事です。

もちろん現場に行ったり、出張に行ったりもありますが、

仕事のほとんどは予算・企画のための会議や資料づくり・調べ物、地域住民への対応、

行政内で実施しない外部に発注した業務の管理でしょうか(部署や勤続年数によると思う)。

これらは施策を検討や実行していくことになるので、

国民・都道府県民・市町村民に直接影響が及ぶ重要な仕事です。

そして、公務員に特徴的なものとして異動があります。

2~5年に1度ぐらいのペースで、部署が変わるのです。

3年建設関係の部署にいたのに、

翌年から会計関係の部署で働く、というように仕事の内容が変わります。

異動に際して希望も出せるようですが、

それがどれだけ反映されるかは私にはわかりません。

とにかく高頻度で異動をして、新しい仕事に対応するので、

公務員には色々な仕事に対応できるジェネラリスト的な能力が求められます。

そうして鍛え上げられた上役の方は、

全体像や概要をつかむ能力が高い人が多いです。

なお、部署異動のタイミングで役職が変わるので、

異動というのは基本は出世とも連動します。

そのため、異動そのものは公務員にとっては喜ばしいことですが、

今の部署の仕事に思い入れがあると気持ちは複雑なようです。

出世コースの花形部署というものがあるようですが、

そこはとにかく激務のようで出世を望んでいない人には嫌厭されています。

ただ、働きぶりが評価される人ほど、

異動(出世)が頻繁に起こるということになりますので、

やりたい仕事もそうでない仕事も短いスパンで切り上げていくことになります。

なお、異動は公務員だけでなく、

ある程度以上の規模の企業にはあるシステムなので、

大きな企業はジェネラリスト育成を重視する傾向がある思っておくとよいでしょう。

博士が公務員に向いているか

博士に色々なタイプの人がいることを前提に、

私が典型的と考える博士が公務員に向いているかと考えてみます。

答えは「NO」です。

興味がない部署で、淡々と事務仕事ができるのか、

博士でなくとも適正を問われる能力です。

とにかく興味を優先するような働き方をしてきた博士にはかなり厳しいでしょう。

ただし、どこにいってもそこで興味を持てるような人は

色々な経験ができるので良いかもしれません。

なお、博士の端くれである、

私は自己評価では公務員的な仕事はできると思います。

実際に入ってフィットするかはわかりませんが、

体験談として転職活動をすると有力候補として出てきます。

待遇や仕事内容的に今の方が良いので私の選択肢には入りませんが。

(転職活動をするとテーブルの向かい側という表現で、

 よく知っている現職の仕事相手が有力な転職先になるというのもあります。)

また、仕事で付き合いのある公務員さんの中に、

ちらほらと博士の方がいます。

なので、一概に向いていないというわけではないですが、

多くの博士には向いていないと思いますので、

自分の適性を見極める必要があります。

公務員として働くのであれば、

その地域に思い入れがあって、

貢献したいという意識があるかが重要だと思います。

生まれ育った●県で働きたい、

長い間過ごした大好きな■県に貢献したい、

というような動機がないとしんどいです。

ただし、就職するなら安定性が優先順位の最上位にある、

というのであれば公務員は有力候補になります。

博士にはペーパー試験が得意な人が多いと思いますので、

しっかりと対策をすれば受かる可能性は十分にあるでしょう。

採用の評価基準がしっかりしているというのは、

準備がしやすいという利点もあります。

まとめ

今回は博士の就職先として、

公務員についてまとめました。

地域貢献がしたい・安定性を重視する、

といった人にはオススメですが、

そうでないと博士に向いているとはあまり思いません。

ただ、多くの人のためになるというやりがいは

とても大きな仕事だと思います。

自分の適性や働く上での優先順位と合わせて考えてもらえるとよいでしょう。

今回は、公務員の中の総合職よりの話しかしていないので、

専門職については、また別の記事でまとめていきたいと思います。

今回の記事が博士が就職先選びの参考になれば嬉しいです。

では、また。