博士が企業で働く

アカデミックに残るか、企業に就職か

こんにちは、日本。
ひろすけです。

この記事は就職するべきか迷っている大学院生・博士・ポスドクに向けた記事です。
まずは要点から。

要点

  • 現状の不安や悩みの原因になっているものを整理して、価値観を整理する
  • とりあえず就職活動をしてみて、自分の市場価値を確認してみる
  • 内定がもらえたら就職後にもアカデミックに戻ることはできるので、飛び込んで見る

自分の価値観の整理がまず必要です

まずはあなたが悩んでいる原因を整理しましょう。
アカデミックでの研究生活が順風満帆でないのなら、
研究を続けることも、企業に就職することのどちらにもメリット・デメリットがあるはずです。
そして感じるメリットとデメリットの種類は人によって違いますし、
重みも違います。
どこかで聞いた人の話ではなく、
あなたの思うメリットとデメリットを書き出して、優先順位をつけましょう。

私の場合は、大学院5年、任期付ポスドクで5年程度過ごした後に就職をしました。
当初はとにかく好きな研究ができることが最優先でした。
ただ、結婚し、子供が生まれたことで、生活の安定の順位が上がって来ました。
当時は新卒採用がまだまだ多かったので、
自分の年齢が上がるほど市場価値が下がると考えていたので、
この年齢までにはアカデミックでパーマネントポストかテニュアトラックのポスト、
あるいは企業就職はしようと期限を設定していました。

なお、年齢があがったり、ポストが変わったりすると優先順位はがらっと変わるので、
定期的に、価値観の見直しが必要です。

迷ったら就職活動をしてみましょう

価値観を整理して、優先順位をつける時にどうしてもわからないのは、
実際に就職できるのか、就職した時に自分はどのぐらいの待遇を受けられるのかです。
調べると事例は出てくると思いますが、
それはあくまで個別ケースで、サンプル数を増やしても参考にしかなりません。
欲しいのはたったひとつ、自分というサンプルの場合です。
これはもうやってみるしかありません。
そこで収集した情報をもとに今後、やっぱりアカデミックで行くのか、
就職にも本気で取り組むのかを決めると良いでしょう。
まずは知るためにやってみる、予備実験のつもりでやってみることをお勧めします。

とりあえずやってみて、当時の私が思ったことは、
想像よりも般企業でも受け入れられそうなこと。
それと1年目でも当時ではびっくりする額の給与がもらえることでした。
最終面接まで行った1社目では率直にあなたに支払える給与は1年目で年間450万円程度、
将来は800万円程度と言われました。
当時は「そんなに貰えるのか…」と衝撃でした。しかもなぜか申し訳無さそうに。
※残念ながら縁がなく、この会社には入りませんでした。

ポストを得るまでの博士は薄給が基本なので、それが当然と思いがちです。
もしかするとびっくりするようなめぐり合わせもあるかもしれません。

※企業としては、それなりの労力と時間を割いて選考をしているので、
 冷やかしはやめてほしいのですが、あくまであなたの人生です。

もしも良い条件での内定がもらえてしまったら

予備実験のつもりで就職活動をしてみて、
内定が出たらどうしましょう。
驚きもあり、悩んでしまうかもしれません。

そんなときはやはりあなた自身の予備実験のつもりで、
少し軽い気持ちで入社してみてはどうでしょうか。
結局自分に合ってるかどうかはやってみないとわかりません。
今は、転職が当たり前の時代です。
1年で転職や、出戻り入社もできます。
就職=生涯勤め上げる、ような意識は必要ありません。
企業ももっていません(たぶん)。
何より入ってみてその仕事があっていれば続ければよく、
やっぱりアカデミックが良いと思えば、
切り替えてそのための努力をすればよいです。
休みの日に論文を書いて業績を積み上げても良いでしょう。
最近の企業には有給休暇の取得の義務付けもあります。
やる気さえあれば時間の確保はできるはずです。
あとは、就職した経験があるというのは、
大学教員を目指す人には役立つ働くかもしれません。
大学教員のほとんどは企業就職の経験なんてないですから。

私の身の回りの例では、
入社して1年でやっぱりアカデミックが良いと任期付ポスドクになった人、
数年勤めて大学教員になった人がいます。
あとはそもそも大学院にいかずに就職した後に、
大学院に入り直して今は某研究所に勤めている人もいます。

自分が納得できる条件が提示されたのであれば、
「とりあえずやってみる」で就職するのもありです。

まとめ

まとめると、
わからないなら調べてみる、
わからないからやってみる、
これに尽きます。

研究生活では当たり前の発想ですね。
やってみてやっぱり合わないと思うこともあるでしょう。
それもやってみて初めてわかること。

自分を理解するために一歩踏み出してみる、
やってみることを個人的にはお勧めします。